『spira mirabilis』批評
- 2010年 2月 28日
粕谷栄市「典雅な秩序の表出」(共同通信1993.11 より)
河野道代の詩集『spira mirabilis』は、少々気恥ずかしい形容をすれば、実に久しぶりに、私たちが手にするみずみずしい珠玉の詩集である。
表現の現実を失って、幾重にも分裂する意識と言語の迷走、ここには、そのような現代詩の閉塞と全く無縁な、典雅な秩序の表出がある。
それは、出口のない今日の人間の内部の言語の状況を、新鮮な外部の現実となし得ていると言えるかもしれない。